カール・ゴッチ逝く


このブログの更新もしばらく滞っていたが、このニュースが入ってきたのでコメントしたい。
先月のクリス・ベノワに続くプロレス界の訃報である。
たまたま「1976年のアントニオ猪木」という非常に面白い本を読んだ直後で、ゴッチが日本のプロレスや格闘技に与えた影響の大きさについて再認識していたところだったので、感無量の想いがある。


猪木がスーパースターになった理由はたくさんの要素があるが、一番の理由はオレ様はランカシャー・スタイルのムーブにあると思っている。
大相撲出身の力道山にも、柔道出身の坂口征二にも、ましてや馬場には決してできない、ブリッジをはじめとした美しい動きに、皆魅せられたのではないだろうか。
そしてそれを猪木に伝えたのが、カール・ゴッチその人である。


アメリカでは二流レスラーにすぎなかったゴッチが「プロレスの神様」であるというのは言いすぎだと思うが、現代の日本の総合格闘技のルーツが猪木の異種格闘技路線やUWFにある以上、ゴッチの果たした役割は非常に大きい。
ゴッチは日本に鉄砲を伝えたポルトガル人で、その鉄砲を利用して天下を獲ったのが猪木なのだ。


合掌。