「ラストキング・オブ・スコットランド」を観たのだ


☆☆☆


ラストキング・オブ・スコットランド」(原題:THE LAST KING OF SCOTLAND)
 製作国:アメリカ、イギリス
 監督:ケヴィン・マクドナルド
 原作:ジャイルズ・フォーデン
 出演:フォレスト・ウィッテカー、ジェームズ・マカヴォイ
 

70年代のウガンダの独裁者、アミン大統領のお話し。
アミン大統領といえば人食い大統領と呼ばれ、アントニオ猪木との異種格闘技戦の計画がありましたな。
実際、アミンはボクシングのヘビー級チャンピオンだったらしい。


何でタイトルがスコットランドかというと、自称スコットランド好き(おそらくイギリスへのあてつけと思われる)のアミン大統領がジョークで、自分のことを”スコットランドの最後の王”といったから。
ストーリーはアミン大統領の側近となったスコットランド人青年の視点から描かれる。


冒険好きなニコラスは医学校を卒業してすぐに、故郷のスコットランドを出て、ウガンダの村で医師をする。
彼はその村へやってきたアミン大統領にひょんなきっかけで気に入られ、主治医となる。
アミンの信頼を得たニコラスは主治医の枠を超えて、アドバイザーとなるが、やがてアミンの恐怖政治の実態を知っていく・・・


この作品でアカデミー主演男優賞をとったフォレスト・ウィッテカーが演じる独裁者の基地外ぶりが見もの。
フォレスト・ウィッテカーといえば「グッドモーニング、ベトナム」で、主役のロビン・ウィリアムス演じるDJに心酔する気のいい黒人兵役を思い出すが、この映画では見事にアミンになりきっている。
堂々としてカリスマ性を魅せたかと思えば、小心者で神経質だったり、躁と鬱、友愛と冷酷が行ったり来たりするサマは、アミンが尊敬したというアドルフ・ヒトラーとも共通する。
最初は英雄でも次第に暴走していくのが独裁者たるゆえんですな。

アミンだからといって「待つわ」とは言ってくれないのだ。
ちゃんちゃん。



スコットランドの黒い王様 (新潮クレスト・ブックス)

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