DREAM5〜魔王の覚醒と平成の不沈艦優勝


満を持して地上波のプライムタイムに進出した今回のDREAM5。
山本KIDの負傷欠場など、誤算があったものの、まずまずの大会だったと思う。
KIDについては、先週の週刊現代にハッパ吸引疑惑の記事が掲載されたりもして、今後が気になる。



秋山成勲 VS 柴田勝頼×


秋山はヒールとしてプロモーションされることを、本気で嫌がっていると聞いていたが、今回は自分の役割を理解したのか、煽りVでも「俺はマイケル・ジャクソン」発言など、ふてぶてしいキャラを押し出していた。
入場時も、ブーイングする観客に対してニヤリと笑いかけ、魔王としての存在感を見せ付けていた。
いやあ、素晴らしい!
秋山、一皮剥けたな。


秋山はさすがに7ヶ月ぶりのリングとあって、出足はにらみ合いが続いたものの、柴田が飛び込んでくるとそのまま組み付いてテイクダウンをとり、あっという間にマウントからの袖車で柴田を落としてしまった。
やはり魔王は強くなくては。
このまま、悪くて強い秋山を誰が倒すのか?というテーマで展開されると、これは盛り上がるよ!


それにしても柴田は難しい立ち位置にいるね。
トンパチなプロレスラーというキャラなんだが、これはもろ、ミノワマンと被っちゃっている。
かといってミノワマンほどの基地外にはなりきれていない。
同じ階級でも、メイヘムというさらに上を行くトンパチが出現してしまった。
柴田は何か劇的な変身をしていかないと、厳しくなった。




青木真也 VS 宇野薫×


終始青木が圧倒していた。
青木は寝技のすごさはもちろんだが、この人の強さはテイクダウン技術の高さにあると思う。
一般的に柔道、柔術出身者は、レスリング出身者と比べるとテイクダウン技術は劣ることが多いのだが、青木はレスリング銀メダリストの永田からもあっさりテイクダウンとってるからね。
そしてテイクダウンさえとれば、あとは得意の寝技地獄に引きずり込むだけ。
この試合を見る限りでは、現時点で青木に勝てる人は同じ階級にはいないんじゃないかとさえ思えた。



エディ・アルバレス VS 川尻達也×


期待通りの壮絶な殴り合いだった。
最後はアルバレスの殴り勝ち。
川尻は日本人には珍しい本格的なストライカーなので、頑張ってほしかったが。



×青木真也 VS ヨアキム・ハンセン


準決勝での川尻との壮絶な殴り合いを制して勝ち上がってきたアルバレスだったが、その代償として眼球損傷というアクシデントに。
かわりにリザーブとして登場したのは、準々決勝でアルバレスと歴史に残る名勝負を展開したハンセン。


とはいえ、リザーブで出てきた外国人選手が優勝してしまったのでは、興行的にはドッチラケ。
ここは青木がキッチリ優勝して、大団円を迎えるはずだったが・・・
ハンセンの上から振り下ろすパウンドで、意外とイージーなKO負けを喫してしまった。


ちょっと拍子抜けしてしまったが、結果的に今後が面白くなるかもしれない。
いままでの結果を見ると、
アルバレス>ハンセン
アルバレス>川尻
ハンセン>青木
青木>カルバン
と、大混戦。


ただし過去宇野薫もハンセンとはいい勝負していたし、昨日の川尻とアルバレスの試合も紙一重だった。
青木VS川尻、アルバレスVSカルバンなど、まだ実現していないカードもたくさんあるし、この階級はこれからますます盛り上がりそうな気配。