「エグザイル/絆」〜友情パワーは不滅なのだ。

「エグザイル/絆」
製作国:香港
監督:ジョニー・トー
出演:アンソニー・ウォンフランシス・ンニック・チョン
   ラム・シュー、ロイ・チョンジョシー・ホー
   リッチー・レン、サイモン・ヤム




【ストーリー】
舞台は返還直前のマカオ
若い頃から一緒に育ち、いまは共に黒社会で生きる5人の男たちが主人公。
そのうちのひとり、ウーがボスを撃って逃亡したことで、5人のうち二人はボスからウーを始末する仕事を負わせられる。
そして残りの二人はウーを守ろうと対立する。
ウーは妻と生まれたばかりの子どもを持ち、自分が死ぬ前に彼女たちに金を遺してやりたいと願う。
そこで5人はとりあえず問題を先送りにして、ウーの妻子のために金を作ることにする。
しかしそこに組織同士の縄張り争いも絡むことになり、5人とも追われる身となってしまう。
ウーとその家族のためにあとの4人がとった行動とは・・・




オレ様にとっては、待ちに待ったジョニー・トー監督による香港ノワールの新作なのだ。
といっても実は06年の作品なのだが。
アジア各国で作品をヒットさせ、ベネチア映画祭などでも評価されるジョニー・トーだが、なぜか日本では成功していないので、なかなか新作が公開されないのだ。
1ヶ月ほど前に公開された同監督の「僕は君のために蝶になる」も、オバサマたちに人気のF4のヴィック・チョウ主演にもかかわらずイマイチだったようだ。
オレ様が観たときも、観客数3人だった。



トー監督は前作「エレクション」では、騙し騙されの黒社会の”仁義なき戦い”を描いたが、今作ではその反動なのか、友情パワー炸裂の”仁義ある戦い”を描いている。
善玉と悪玉もわりとはっきりしているので、小難しいことは考えないで、素直にアクションを楽しめる作品でもある。
マカオのヨーロッパ風の街並みも彩りを添えている。
特に印象に残ったのは、大の男たちがまるで子どものようにじゃれあうシーンだ。
そして劇中、こわもての男たちが何度か見せる穏やかな笑顔。
男汁満開の傑作なのだっ!



エグザイル/絆 予告編