豚に安生、泰葉に竹刀


テレ東で大晦日に放送された12.30ハッスルマニア
注目の泰葉VSアンジョー司令長官の試合は、どうなることかと思ったけど、思った以上の出来だった。



47歳の素人のオバちゃんの試合がそれなりに見れる作品に仕上がったポイントは、アンジョー司令長官が放った一発の張り手だったと思う。
言うまでもなくそれは段取りの中での展開だったのだろうが、それにしても素人相手には十分すぎるぐらい強烈に見える張り手だった。
芸能界ではある意味アンタッチャブルな存在の海老名家の人間の顔を張れる人は、普通はいないだろう。
構築されたストーリーの中で、
「え?そこまでやっていいの?」
と思わせたしゅんかんがあったからこそ、この試合を芸能人のプロレスごっこ以上のものにしたのだろう。



張り手を食らってコーナーポストに投げつけられ、竹刀で殴られる泰葉のやられっぷりは見事だったし、そのがんばりがあったから、試合後顔をぐちゃぐちゃにしてマネージャーと抱き合い勝利を喜び合う姿にも感動できた。
はっきり言ってこの試合の世間の関心は、”プッツンオバさん”に対する残酷な期待だったと思う。
泰葉はその世間の色眼鏡や残酷な視線を全て受け入れた上で、試合の途中からは観客を冷笑から「泰葉コール」に変える芸人魂を見せてくれた。
僕は優れたプロレスラーとは、人生や人間性をさらけ出すことができる人だと思っているが、この試合の泰葉にはそれが出ていたし、出させたアンジョーの技量も素晴らしかった。



それにしてもこの試合の重要なキャラクターの一人、泰葉のマネジャーはプロレスうま過ぎ。
マネジャーは役柄で、本当はどこかのプロレス団体の若手なのかなとも思ったが、調べたらホントに芸能マネジャーらしい。



現在唯一、年に1回だが地上波のゴールデンタイムで放送されるプロレスイベント、ハッスル。
世間と闘い続けてほしいものである。