「エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜」を観たのだ。


エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜」(LA MOME)
 2007年 フランス/イギリス/チェコ
 監督: オリヴィエ・ダアン
 製作: アラン・ゴールドマン
 脚本: オリヴィエ・ダアン
     イザベル・ソベルマン
 撮影: 永田鉄男
 出演: マリオン・コティヤール、シルヴィー・テステュー
    パスカル・グレゴリーエマニュエル・セニエ


  ☆☆☆



最初の一声を聴いただけで、ただものではないと思わせるシンガーというのがいる。
ジャニス・ジョプリンしかり、美空ひばりしかり、ウム・カルスームしかり。
そしてエディット・ピアフもそんな数少ない一人だと思う。
あらためて彼女のプロフィールを見たら、身長が142cmしかなかったことに驚いた。
なぜそんな小柄な体から、あのパワフルな歌声が出ていたのか不思議。



2歳で母親に捨てられ、祖母が経営する娼館で育ち、さらに大道芸人の父親とのドサまわりと、苦難に満ちた生い立ちから、やがて天から授かった歌の才能のおかげで、富と名声を得る。
しかしアル中とヤク中のせいで47歳の若さで生涯を閉じることになる。
劇中、「歌えなければ生きている意味がない」というようなセリフがあったかと思うが、まさしく歌うことだけが人生だったようだ。



この映画ではクスリと酒に溺れ、側近たちを怒鳴り散らすシーンが多く、ややピアフのダークサイドの方が多く描かれていたように思う。
第2次大戦中、ナチス占領下でレジスタンスに協力していたエピソードは、この映画では全く触れられていなかったが、そういう部分ももう少し描かれていた方がピアフの全体像が見えたような気がする。



個人的にはサブタイトルは「愛の賛歌」よりも「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」の方が映画の内容に合ってんじゃねえの?と思っていたら、やっぱり日本と本国フランス以外はこちらがサブタイトルだったようである。
越路吹雪のおかげで、日本人には「愛の賛歌」の方がなじみやすいんだろうね。




エディット・ピアフ

エディット・ピアフ



エド・サリバンと並んだところを見ると、ピアフのミニミニぶりがよくわかる。