ピアプレッシャー〜変人を許容しない日本


本を読んでいて気になった言葉を自分へのメモとして。



ピアプレッシャー(peer pressure)とは、「他の人と一緒でなければいけない」という仲間や社会など周囲からの圧力のこと。
茂木健一郎氏は著書「脳を活かす勉強法」で、日本には変人を許容する文化がないと嘆いている。
彼が留学していたケンブリッジ大学トリニティカレッジには「変人であることの自由」を受け入れる雰囲気があったと書いている。
また大学の食堂で異なった分野の学者たちが、席を並べて議論している光景を見て、ノーベル賞受賞者を81人も輩出している理由がわかったという。
それは日本の大学では絶対に見られない光景らしい。

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」




石原莞爾満州事変の首謀者として知られているが、日中戦争には反対だった。
日本の歴史上でも稀有な天才的戦略家で、国家のグランドデザインを描ける数少ない人物だった。
国際的にも日本のキーパーソンとして当時注目を集めた。
にも関わらず、彼が表舞台で活躍したのはほんのわずかな期間だった。
なぜなら彼は変人だったから。
その天才ゆえ相手が誰であろうと容赦なく論破し、上司を上司とも思わない彼の態度は、当時の日本陸軍という組織ではとうてい受け入れられなかったのである。



とかく日本人は人と違うことをする人間を引きずりおろし、全員を平均値にしようとする。
オレ様も子ども時代から現在にいたるまで、常に日本社会のピアプレッシャーというものに強くストレスを感じてきた。
小学校低学年の頃だったと思うが、図工の時間に太陽の絵を描かされた。
もしかしたら太陽ではなくて空の絵だったかもしれない。
オレ様以外の子どもは全員太陽を赤で描いた。
しかしオレ様だけは黄色で描いたら、先生に怒られた。
”太陽は赤で黄色は月でしょ”といわれた。
「太陽を絵の具で描くときは赤を使うものである」という思い込みと、ほかの生徒と一人だけ違うことをしているということに対する違和感が先生にはあったのだろう。



しかしポジティブなピアプレッシャーというのもあるらしい。
前述の茂木健一郎氏はこんなこともいっている。

「人間は、周囲の人間からピア・プレッシャーを受ける。ピア・プレッシャーの多くは『出る杭は打たれる』的な同化圧力として作用する。そんな中で自らの個性を貫くのは難しい。しかし、同好の士が集まる場所ではピア・プレッシャーの方向性が逆転する。差異を消すのではなく、むしろ拡大する方へ。個性を殺すのではなく、さらに輝かせる方へ。趣味を同じくする人々と繋がることで魂が自由になるからだ」

http://www.works-i.com/special/basic_ability/part_2.html


つまり共通認識を持った意識の高いグループの中では、ピアプレッシャーもプラスになるということらしい。