MONEY


ドラマ「銭ゲバ」が最終回を迎えた。
ジョージ秋山原作の漫画は、戦後の高度成長がひと段落し、それまでの価値観が変わり始めた時代に書かれたもの。
それを同様にいろんな価値観がガタガタ壊れていっている今の時代に、ドラマの原作としてチョイスしたセンスはなかなかのもの。
原作の過激な表現と比べるとかなり甘いけれど、地上波のプライムタイムのドラマとしてはかなり頑張ったと思う。


むしろ原作を知るものにとっては、意外な描き方がされていた。
たとえば、主人公を執拗に追う刑事は、原作では最後まで正義を貫こうとして主人公に殺される。
しかしドラマ版の刑事は、重病の妻の命を救うことと引き換えに、主人公の札束の前に屈してしまう。


また最終回では、原作の中の主人公は結局自分が追い求めていたものは平凡な幸福だったことに気付いて自殺する。
ドラマ版はいったん、原作と同じような結末になりそうになりながらも、最後の最後で主人公に悪態をつかせる。


個人的には久しぶりにハマったドラマだった。



ゼニといえば、R&Bの名曲「MONEY」
個人的には「銭ゲバ」のテーマ曲はこっちの方が合ってると思う。


この曲はビートルズストーンズ、ツッペリンやスティービワンダーなど実にいろんな人がカバーした名曲だけど、個人的に一番好きなのは、デヴィッド・カニンガムによる”Flying Lizards”のバージョン。
無機質な音色が曲のイメージにピッタリ。