Bangkok Sep 2007 その3


ルチャダムヌンで試合を見て触発されたので、思い切ってムエタイのジムに体験入門してみた。
もちろん初体験なのだ。


お金を払ってムエタイパンツをもらい、まずは縄跳び。
プチメタボなオレ様は、早くも息切れ。
そしてグローブを渡される。
タイ人トレーナーがミットを構えてくれて、基本的な動きを教わる。
昔、ボクシングは少しだけ習ったことがあるが、腕のかまえや足のスタンスがだいぶ違うようである。


それだけでかなりヘトヘトになり、床にへたり込んでいると、リングに上がれと言われる。
どうやらスパーリングをやるらしい。
いいのか?
大丈夫なのか?
こっちは生まれて初めてムエタイを習って、まだ1時間たってないんだぞ。
ただのおっさんだぞ。


リングに上がり、足にレガースを着ける。
UWFみたいじゃん!
カッコイイ!
なにげにロープに背をもたれて、固さを確かめてみる。
だんだんその気になってきた。
こうなったら度胸を決めてやるしかない。


スパーが始まる。
もちろん相手は手加減してくれているのだが、それでもスネやわき腹に蹴りがガンガン入る。
さっき習った基本動作と、過去に見たキックボクシングの試合を頭の中にリピートさせながら、こちらも攻撃してみる。
技のレパートリーが少ないし、コンビネーションがイマイチわからない。
それでもたまにハイキックのいいのがキマッたりすると、タイ人トレーナーがムエタイの試合が白熱してくると叫ぶ掛け声をかけてくれたりするので、こっちもうれしくなってノッてきた!


しかし次の瞬間、悲鳴が聞こえる。
ふと横を見ると、隣でスパーをやっていた一人が倒れている。
そして悲痛なうめき声をあげながら、股間をおさえていた。
そう、金的に入っちゃったのだ。
それを見て急にビビッてしまった。
よく考えたらオレたちはファールカップもヘッドギアもせずにスパーをやってたんだな。


そのあとグローブとレガースを外して、首相撲の練習。
首相撲とは腕を相手の首に入れながらコントロールして、わき腹にヒザを入れたり、相手を投げたりすること。
ここでは柔道の経験が少し活きた。
うまく相手の選手をコントロールして、ロープに押し込むことに成功。
最後はオレ様の方が倒されちゃったけど、ちょっと本気にさせてやったのだ。


ところでこのジムにはでかいバケツに氷水が汲んであって、練習中みんなここから桶で水をすくって飲んでいた。
オレ様はお腹を壊しやすいので、ふだん外国では絶対に生水は飲まないようにしている。
なので最初は飲むのを躊躇したが、練習が始まると我慢できなくて途中からガブガブ飲んでいた。
案の定、翌日はお腹がピーヒャララでございました。