行きたかったお花見

新宿中央公園で先週素敵なお花見が開催されたらしい。
行きたかったなあ。


「都庁前の花見で300人が反原発ソングを歌った夜」
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20110405/E1301939720954.html?_p=1


サマータイムブルース」は8分過ぎくらいから。
そして最後は「雨上がりの夜空に」の合唱で〆
都庁をバックに反原発ソングってのがシビレるね。
山川のりを氏のとなりでブルースハープを吹いている人は、素人で本当に突然飛び込みで参加したらしい。
久しぶりに音楽の凄い力を感じた。
http://twitcasting.tv/szkx/movie/1306854



とはいうものの、↑のような動画を紹介しといてアレだけど、実は僕は個人的には世論が手のひら返したように反原発になっていて、反原発でなければ人にあらず、みたいな空気になっているのにはちょっと違和感を感じている。
いま起きている事故に対して皆がこういう気持ちになるのは当然のことだとは思うけど。


いっときの感情だけで物事が動いていくことは、反原発だろうと、原発推進だろうと、危険なことではないかと思う。
そこに足りないのは科学だと思う。
ここでいう科学とは、単純に科学技術という意味だけではなくて、大げさに言うといままで人類が築いてきた英知の結集という意味なんだけど。
その科学的見地から原発を使い続けることが合理的ではないという判断ができれば、止めればいいと思う。

「英国王のスピーチ」

吃音のためにスピーチが苦手なのに、意志に反して国王となってしまったジョージ6世が、言語聴覚士の型破りなトレーニングによって、第2次大戦開戦時に国民を鼓舞する歴史的なスピーチをするに至る過程を描いた作品。


予告編を観ただけでほぼストーリーがわかってしまうほど至極単純な筋書きなのだが、だからといって鑑賞中一度も退屈することはなかった。


なぜそうなのかというと、ディテールが非常によくできているからだと思う。
例えば、国王である父親が亡くなったあと、言語聴覚士ライオネルの自宅をフラリと訪れたジョージ6世。
それまではいくら治療に必要だと言われても、頑なに幼少時のことを話したがらなかった彼が、「子供の頃、プラモデルを作らせてもらえなかったんだよなあ」とつぶやき、ライオネルの息子が作りかけたプラモデルをいじりながら、子供時代のことをポツリポツリと語り始める。
強圧的だった父親のこと、乳母に虐待されていたことなど。
これがなんともいえず良いシーンなんだよなあ。
最初は国王たる自分に対して、対等な立場を求めてくるライオネルを苦々しく感じていたジョージ6世がついに心を開いた瞬間であり、吃音の治療が進むきっかけともなる重要な場面なのである。


言語聴覚士ライオネルについても完璧な人物としては描かず、役者を目指しながら夢をかなえることができず、挫折感を味わいながら生きてきたことを匂わせている。


また、飄々としながらも、優しくジョージ6世を見守る皇后も良かった。
友情・努力・愛の力で、自らの悩みを克服し、人々に感動を与えるストーリーは、いわゆるスポ根ドラマの王道ですな。
良い意味で万人ウケする作品だと思う。


アカデミー賞で4冠とったのも納得の星4つ!☆☆☆☆


明日は花見に行くぞ!

この前、震災を天罰だと言い放ってバッシングされたどこかの知事さんが、今度は戦時中は皆で我慢して耐える姿が美しかったみたいなことを言って、花見禁止令を出しました。
いま公園で酒を飲んでると警備員に注意されるそうです。


でもいま本当に必要なのは、もしかしたら戦時中みたいな秩序はあるけど自粛だらけの社会ではなくて、終戦後の風紀は乱れているけど元気と希望がある社会なんではなかろうか。


誰が何と言おうと、明日は花見へ行くぞ!

「さそり」

梶芽衣子主演の70年代エログロ映画の名作を、2008年に香港映画としてリメイクした作品。
主演は水野美紀


脇を固める配役が個人的には結構ツボで、ジョニー・トー監督作品の常連俳優、サイモン・ヤムとラム・シュが重要な役どころで出ているし、何といってもあの伝説の大明星、ブルース・リャンが悪役の一人としてカンフーアクションを披露してくれているのが、カンフー映画好きには感涙モノなのである。


ブルース・リャンは、その名前のせいで日本ではブルース・リーのまがい物だと思われがちだけれど、70年代の香港ではアクションスターとして確固たる地位を築いていた人で、足技を得意とした本格的なカンフー・ムーブを見せていた。
特に「帰ってきたドラゴン」における倉田保昭との追いかけっこのシーンはもはや伝説となっているのだっ。


それはさておき、罠にはめられて刑務所に入れられたヒロインが復讐を遂げるというストーリーは、梶芽衣子版と同じなのだが、その大筋意外はほぼオリジナルのストーリーが展開される。


香港映画だし、倉田アクションクラブ出身の水野美紀が主演ということもあって、想像はしていたが、やはり最後はカンフー映画になってしまっていた。
まあ、それはそれでいいんだけど、どうも演出として省略の仕方が雑すぎて、展開が非常にわかりにくい。
特にヒロインの相手役の男の感情の流れをちゃんと説明できていないので、ひとつひとつの行動がとても唐突な印象を受けてしまう。


自分的には、かなり厳し〜いっ作品だけど、最後に「恨み節」が聴けたので星2つ!☆☆


雨ニモ負ケズ

昨日、ジャッキー・チェンらの呼びかけにより、香港で東日本大震災のためのチャリティーイベントが行われた。
宮沢賢治の詩に曲が付けられ、それを香港の明星たちが唄った。
日本人として本当に嬉しい。
僕の好きなアンディ・ラウやサミー・チェンもいるし。


宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」は、富や名声を求めることなく、自然に耐えながら淡々と日々の暮らしを生きる、日本人的な奥ゆかしさを感じる世界観。
そして、この感覚こそが今回の震災における日本人の対応に世界が驚いたことらしい。
この詩をチョイスした人は、たぶんジャッキー・チェンではないと思うので、おそらく在港の日本人だと僕は想像しているけど、素晴らしいセンス。


それにしても、すでに台湾でも同様のイベントがあったけど、日本の芸能界にはそういう大きな動きは今のところないのは残念。
個々に寄付している人はいるけど。
芸能人は本来、人に夢を与える仕事(のハズ)なので、こんなときこそ皆が元気になるようなことをやってほしいものですね。